モンゴル滞在記〜理学療法士編〜

青年海外協力隊としてモンゴルへ派遣された理学療法士の滞在記

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モンゴルの病院での活動2(入院リハ編)

сайн байна уу(こんにちは)

今回は前回に続き病院での活動について書いていこうと思います。

 

1:活動先の紹介

 私は午前中はリハビリ科がある棟で外来患者に対してリハビリを行なっていますが、午後は本棟で入院患者に対してリハビリを行なっています。

 本棟にはICU産婦人科など様々な病棟があり、その中の神経科の入院病棟で主に活動を行なっています。

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病室はこの様な環境です

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廊下は広く、最近手すりもつきました。

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トイレにも一応手すりもありますが、細かい段差などあります

 

 


2:モンゴルの入院のシステムに関して

 モンゴルは基本的に入院期間は最長10日間と決まっています。

 入院する患者は様々で、活動先の神経科には脳卒中10日間後の患者や数年前に脳卒中を発症して、経過観察の為に入院している方。腰痛の患者。数年前に脊髄損傷を発症し経過観察のための入院など様々な患者が入院しています。日本と異なる点として、頭痛や疲労により10日間入院する患者もおり、どの様な方がどの様に病院に入院するか未だによく分からないことが多いです笑。

 脳卒中急性期や外傷後のオペが必要な患者などは地方での対応が難しい為、首都ウランバートルまで車で12時間かけて向かうか、飛行機で2時間かけて向かい、治療を行います。

 モンゴル全体なのか私が勤務している病院だけかわかりませんが、入院費は安く、基本的に10日間の入院で20000モンゴルトゥグルク(1000円程度)と安いためか、幅広い層の患者が入院しているのかと感じています。

 

3:入院のリハビリについて

 入院でのリハビリは外来リハビリとは違い、病棟にリハビリ室がない為に病棟のベッドサイドでリハビリを行います。

 入院期間が10日間で休みなども含むとリハに入れる回数が少ない為、脳卒中の患者や腰痛の患者へ退院後も行う事ができる簡単な自主トレの指導を中心に行なっています。

またモンゴルでは、バリアフリーな環境が充分に整理されておらず、福祉用具も不足しています。

しかし、モンゴルは、基本的に家族の誰かが患者のそばに付き添って介護する事が多く、また力持ちの男性も多く、患者を担いで階段の移動なども行います。

日本の様な整った医療制度はないが、その代わりに介護できる家族が多く、

良い福祉用具はないが、力持ちの男性が多くなんとか成り立っていると感じました。

動作は基本的に力任せに行う為、家族に対して介助動作指導なども行なっています。

 

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クッションなども少しですがあります

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歩行器などもわずかにあり、これを使い歩行訓練なども行なっています

.
4:病棟の環境について

 日本と違う箇所はあげればきりがありませんが、特に違うなと感じる点が他職種連携の不足です。

モンゴルの病院では、基本的に他職種連携の意識は乏しく、自分の仕事があればその仕事を行いそれ以外の時間は休憩している事が多いです。

その為日本の様に医師から疾患やリハについての説明もなく、リハの前に看護師へ患者の状態を確認したり、リハビリを拒否する患者のお尻を叩き、リハビリに協力してくれる看護師の姿はありません。

その為まずはリスクが高い患者の情報を医師や看護師から取る様に指導する活動から始めています。

以前勤務していた病院では他職種の連携を積極的に行っていた為、少し違和感を感じました。

スタッフ同士の仲は良いのに、仕事に関して連携するという事を知らない。そしてその必要性を感じていない現状だと感じました。

(ここに関してはどうしようか未だに検討中です笑)

 

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ナースステーションの様な場所

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休憩室ではみんな楽しくくつろいでいる

5:モンゴルの患者について

 モンゴルの患者さんの印象は、脳梗塞や脊髄損傷など重症な患者も障がいに対する切り替えるのが早く、明るい方が多いと感じています。

発症直後で手足が不自由でも、落ち込む様子も少なく、明るく話しをしている方が多く、印象に残ったのが、脊髄損傷の患者に「日本にも脊髄損傷を治せる薬はないんだろう?」「だったらしょうがないよー。あははは」と笑って話しをされていたことに驚きました。

もちろん落ち込むことはあると思います。しかし、それを感じさせないくらい楽観的で前向きな方が多いと感じました。

しかし、楽観的すぎて、なんでも「できる。大丈夫」と挑戦しすぎてしまう事や脳卒中の再発の危険性などを深刻に考えておらず、リスクがあるとも思っています。

その国によって、障がい受容や社会復帰への道のりが異なる為、国民性などが現れて面白いなと日々感じています。

 

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同僚と共にリハを見せたり、指導したりしています

 

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ベッドサイドでのリハが中心になります。


この様に日々活動を行なっています。

次回はリハビリ科についての紹介もできれば考えています

皆様からのコメント楽しみに待っております。

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Бяартай(さよなら)

 

 

 

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